◆イナゴマメ(Carob)

              (写真撮影:鈴木伸)


 「彼は豚の食べるいなご豆を食べてでも腹を満たしたかったが,食べ物をくれる人はだれもいなかった.」(ルカによる福音書15章16節)

 イナゴマメは糖分を多く含むので、聖書の地,パレスチナでは,家畜の飼料,砂糖の代用として用いられました.その意味で非常にポピュラーな植物でしたが,聖書では放蕩息子のたとえ話(ルカによる福音書第15章11-32節)にしか登場しません.昔,イナゴマメの乾燥した種子の重さが一定だったので,はかりの分銅として使われました.イナゴマメのことをギリシア語で「ケラティオン」(keration)と言いますが,金や宝石の重さの単位をカラットと言うのはここから来ています.
 写真中央に見える青いイナゴマメの実はやがて茶褐色になります.


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